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和太鼓の指導者(全校和太鼓引き継ぎ式)

 野蒜小で和太鼓の演奏を指導しているのは,外部から雇った和太鼓のプロでも,和太鼓指導についての研修を受けた教員でもなく,ごく普通の“クラス担任の先生たち”です。野蒜小に赴任するまで和太鼓の指導を一度も経験したことのない先生たちが大半です。しかし,未知の指導内容を子供たちへの愛情と,指導にかける熱意でカバーし,それぞれが担任する学年部の演奏(低学年:豊年太鼓,中学年:ぶち合わせ太鼓,高学年:野蒜復興太鼓)を観客に感動を与えられるレベルにまで高めています。

 忘れてはいけない優秀な指導者がさらにいます。それは,野蒜小の上級生たちです。先輩から後輩へと演奏技術が受け継がれていく仕組みが野蒜小にはあり,4年生(中学年)を例にすると,これまで演奏してきた“ぶち合わせ太鼓”の演奏を来年度中学年になる後輩たち(現2,3年生)に託し,4月からは新5年生として野蒜復興太鼓の演奏に進みます。毎年3学期は学年が上がることに備えてそれぞれが“来年度演奏する曲”の練習をしますが,その際すでに演奏を身に付けている上級生が,これから新しい曲を覚える下級生とペアを組み,手取り足取り叩き方を教える仕組みになっています。

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            震災半年後,借り物の太鼓で復興太鼓を叩いた初代6年生!

 先日,先輩が後輩へ,演奏者としての思いをばちにこめて託す行事(伝統を引き継ごう)を行いました。儀式と呼ぶにふさわしい厳かな雰囲気の中,卒業を間近に控えた6年生が最後の“野蒜復興太鼓”を見事に演奏し,後に続く下級生たちに,ふるさと野蒜を元気づけ,復興に貢献してきた伝統をしっかりと引き継ぎました。
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  チーム三代目から四代目へのばちの引き継ぎ        三代目6年生最後の演奏

 野蒜小和太鼓の一番の特色は“ごく普通の先生と生徒が作り上げていること”にあります。野蒜っ子たちの演奏には,演奏技術の巧拙を超えた,毎日一緒に過ごしている先生と生徒以外には出せない温かい雰囲気を感じます。どんなにすごい和太鼓指導のプロでも,こればかりは絶対に作りえないものだといつも感じます。

 ?年後,見事に復興した野蒜で,成長した野蒜っ子たちが友達,先生方,そして地域と和太鼓を通してつながっていた小学生時代を懐かしく語り合ってくれる日が来てくれたらうれしいと思います。
                                                     (文責:渡邊)